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ディスカス飼育をこれから始める場合、まず用意するのが水槽です。
では、どんな水槽を用意すればよいのでしょう。すでに持っている水槽が使えれば、それでスタートしてもよい。
但し、あまりにも小さい水槽では、難しくなります。60×30×36cmという一般的な60cmレギュラー水槽を持っていれば、これを使うことも出来る。でも、水量60リットル程度なので、幼魚サイズを5匹から10匹程度を飼育する場合で、あくまでも一時的に使用できるということになる。サイズが大きくなると給餌量も増えるので、いつの日か、水槽を大きいサイズに変更することになります。この60cmレギュラー水槽で、何年もディスカスを飼育することは出来ないか?答えはNOとなります。絶対無理ということではありませんが、成功する確率が低いので、生き物を飼うことを考えれば、実験的なチャレンジは無意味です。なぜ、NOなのか? ディスカスは、群れで生息する魚です。人間と同じで、コミュニケーションが必要です。水槽で複数飼育していると、よく「喧嘩をする」と言いますが、本来この行動は、ディスカス同士の会話と考えるべきです。強弱の関係が水槽飼育では問題になりますが、この強弱関係もディスカスたちにとって、必要なことなのです。繁殖はディスカスにとって子孫を残す行動ですが、強弱関係の上にペアが成り立っています。強弱関係の無い水槽では、ペアが出来にくいということです。さて、複数飼育をしなければならないディスカスは、何匹が理想でしょう。水槽サイズに関係なく、5匹以上で飼育することが理想です。5匹より10匹、10匹より20匹の方が、飼育しやすくなります。数が多いと強弱関係による弱者へのストレスが緩和されるからです。先ほどは、強弱関係がないといけないと申し上げましたが、数を増やして強弱関係を緩和させると逆のことを言っていることになります。
整理すると、コミュニケーションは必要で、そこには強弱関係が発生します。飼育数が少ないと、強弱関係によるストレスが、少数個体に重く圧し掛かります。3匹で飼育していたとしたら、一番強い子は、2番目、3番目にストレスを与えます。2番目の子は、受けたストレスを3番目の一番弱い子にぶつけます。3番目の一番弱い子は、ストレスの発散方法がなく、ストレスを溜めこんでしまいます。では、2匹の仲の良いペアはどうでしょう?長期間、喧嘩もなく、2匹だけだと、先ほどのコミュニケーションが少な過ぎて、生気を失ってしまいます。ペアだけの環境は、3カ月間を目途に、他のディスカスがいる混泳水槽に戻して、コミニュケーションをとらせなげればなりません。そうする事で、7歳の雌でも産卵させることが出来るくらい、心身共に健康を維持できるのです。
話を戻します。一時的に少ない飼育数は可能ですが、長期飼育環境は、最低5匹以上にしなければなりません。20cmの成魚を60cmレギュラー水槽で、5匹育てるのは、かなり困難になります。60cmレギュラー水槽を持っている場合は、幼魚5匹以上でスタートして、ディスカスが大きくなってきたら、大きい水槽に変更しなければなりません。ディスカスのサイズや数にもよりますが、長くて半年以内と考えましょう。

水槽を新しく用意する場合は、60ワイド水槽(60×45×45)か90cm水槽をお勧めします。60cmワイドなら、20cmクラスの成魚を7~8匹飼育する事も可能です。但し、給餌量に合ったフィルターなどの条件が整っていることが前提です。60cmワイドは、幼魚の育成、成魚の混泳、繁殖水槽など、幅広く使える万能水槽です。特に繁殖するペア水槽は、この60cmワイドが最適サイズです。大き過ぎる水槽だと、稚魚が自由遊泳を始めて、親魚に体着する時に不利になります。
こんなセット水槽を作ってみました。
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このセットで、幼魚育成、成魚混泳、繁殖水槽にも使えます。
繁殖水槽に使用しない場合は、90cm水槽や120cm水槽など、大きい水槽でスタートする事もお勧めです。これは、先に申し上げたディスカスの飼育数は多いほど、飼育しやすくなるということです。ディスカスを始めて飼育する人が、幼魚を5匹でスタートする場合でも、これらの大きい水槽でスタートする事ができます。120cm水槽に5匹の幼魚だと広すぎて怯えてしまうでしょう。その時は、エーハイムのスポンジブロックを使用すれば、スポンジブロックを設置する場所を変えることで、ディスカスが泳ぐスペースを自由に設定できます。ディスカスが大きくなったら、スペースを広げる。ディスカスが慣れてきたらスペースを広げる。泳ぐスペースは自在に変更できますし、水量は多いので水質安定という面では優れています。
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120cm水槽くらいまでなら市販のガラス水槽が安価で、フィルターもエーハイムなどを使えます。しかし、それ以上大きな水槽の場合は、アクリル水槽になるでしょう。アクリル水槽は、ほとんど市販品という物はないので、オーダーして作ることになります。家のスペースに合わせて、ミリ単位まで指定して作ることが出来ます。大きな水槽の場合は、市販のろ過では間に合わないので、ろ過槽もオーダーして作ることになります。水槽台、水槽、ろ過槽、付属する設備を選び、自分だけのオリジナル水槽ということになります。
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この水槽は、アクアショップes店内に設置した水槽です。
2400×850×750(H)の1500リットル水槽で、ろ過槽と合わせると総水量1800リットルになります。ろ過槽には、70リットルのサブストプロのろ材が入っていますが、飼育数が増えた時の為に、最大140リットルのろ材量にする事もできるように作りました。1500や1800の大型水槽は、多くの愛好家が導入しているサイズです。


60ワイドや90cm水槽が、数本になってきたら、集中ろ過システムも優れた設備になります。但し、飼育スタートから、いきなり集中ろ過はお勧めできません。集中ろ過は、複数本の水槽を配管して、一つの飼育水で管理するシステムです。単独水槽は、それぞれ異なる水なので、水質管理方法や管理時期は、それぞれ異なります。集中ろ過の場合は、例えば10本の水槽を一つのろ過で循環させるので、水質管理は、一つのシステムだけで済みます。メンテが楽になり、ろ過も大きいものを設置出来るので、いろいろなメリットがあります。その反面、デメリットもあります。全ての飼育水が同じなので、水質管理に不手際があったり、一つの水槽で病気が出た場合、感染症などの場合は、他の水槽全部に病気を撒き散らしてしまいます。ある程度、ディスカス飼育の経験を積んで、安定した飼育が出来るように飼育者が上達したら、導入すると素晴らしいアイテムとなります。
器用な人なら、自分で集中ろ過を作ってしまいます。
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この方は、徐々に水槽を増設していきました。その度に、配管したりするのも、楽しいディスカスライフです。

集中ろ過を作る場合は、ほとんどの方が設計施工まで依頼されます。
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設置するスペースや規模などを事前に打ち合わせして、全て組み立てまでご依頼いただきます。
この方は、設置後にご自分で、アクリル板でシステムを化粧加工いたしました。機械的な設備が、とても美しいインテリアに変身しています。

皆さんも自分に合ったディスカスライフを見つけましょう。
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