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ディスカス飼育という趣味は、一生かけて追及しても極めることができないほど、奥深い趣味です。しかし、楽しみ方によっては、すぐに満足してしまったり、途中で挫折して趣味を終わらせる場合もあります。まずは、ディスカスの楽しみ方から考えたいと思います。
ディスカスに興味を持って、これから始めようと思っている人は、すでに観賞魚の飼育経験を持っている人が多い。その多くのお客様が「ディスカスは難しいんですよね? もっと勉強してから、いつかは飼いたいと思っているんです。」と言う。私は「簡単ではありません。でも、魚を見ることが好きな人は、上手に飼育できますよ。」とお答えする。そして「簡単ならすぐに飽きてしまいます。一歩一歩、前進するから面白いんです。でも、事前に勉強しても役に立ちませんよ。飼育して、ディスカスから学ぶ以外ありません。」とも付け加える。難しいと躊躇していても、何も始まりません。ディスカスを上手に飼育する最大のポイントは、ディスカスをよく見ることです。ディスカスが飼育者に語ってくれます。
事前に勉強しても役に立たないといっても、ディスカスの受け入れ準備は必要です。10店のショップに準備方法を聞けば、10通りの飼育方法が帰ってきます。それが、まず最初の壁になります。私だけで考えても、10人の方に相談を受ければ10通りの答えになっているでしょう。その人に合った飼育方法をアドバイスするので、それも当然のことですが、基本理論は変わりません。まずは、貴方に合った大まかな基本理論を探して、一本の道を見つけることが大切です。10通りの基本理論を「良いとこ取り」して自分流を作ろうとしてもディスカス飼育の迷路に迷いこんでしまいます。ディスカス飼育の飼育スタートの準備は、事前勉強ではなく、10年、20年、それ以上の長い趣味として続けるための、良きアドバイザーを見つけることが一番です。ある程度、私の飼育理論はホームページでもご紹介しておりますので、ご参照ください。
ディスカスという魚の魅力について少し触れておこう。ディスカスの何が面白いか?なんでディスカスに夢中になるのか? 魅力というものを考えるといっぱいあり過ぎて、表現するのが難しい。一言でいえば「コミニュケーション」かもしれない。
幼魚期は、飼育者は赤子を扱うように大切に見守り、あれこれとディスカスの将来を考えて世話をする。飼育者は「お腹はすいていないかな? 今日も元気だね。」と我が子のように見守る。ちょっと目を離せば、ディスカス同士で喧嘩して、負けた子はいじけてしまう。それでも、ご飯の時は強い子に交じりながらでも元気よく食べている。一番強かったガキ大将が2番手に喧嘩負けるとショックで食欲がなくなり、順位がドドンと落ちてしまう。
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「まあ体も一回り大きいから大丈夫かな。」と飼育者は見守る。このような強弱関係をゲーベル氏は「ディスカス同士の会話」だという。その行動は、まるで人間界を見ているように思える。
幼魚期をなんとか無事過ごして、若魚になるころには、今まで収まっていた喧嘩が、また激しくなってくる。成魚と比べればサイズ小さいが、目をギラギラ輝かせて、喧嘩している。発色もいつもより綺麗だ。飼育者は「なんだかこの子は急に綺麗になったな~ でも、喧嘩が激しくて、追いかけられる子がかわいそうだな~」と困りながら対策に追われる。そんなある日「あれ?卵を産んでる!」と飼育者はビックリ。喧嘩を収めて平和にしようと四苦八苦していたら、ディスカスの産卵で飼育者は大慌て。苦しみから楽しみへの大逆転である。幼魚期は、雄雌に関係なくファミリー内の強弱関係、兄弟げんかだったのが、若魚になれば性に目覚め、異性を意識した行動に変化する。どうしたらいいの? 「まだまだ若い個体だから今の時期は育成に専念して。まだ早いですよ。」と夢は一時中断される。人間界でいえば、中学生が結婚しようとしているのと同じである。もう少し、心身共に成長してからでも遅くはない。ディスカスの思春期ともいえる時期であるが、これも人間界のようである。

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順調に成長したディスカスは、そろそろ繁殖期到来です。混泳用の水槽からペアーを独立したペアー水槽に移動する。人間の夫婦は一生を共にするパートナーだが、ディスカスは子孫を残すための一時的なパートナーです。複数飼育している水槽でペアーになった時は、そのペアーは子孫を残す権利を勝ち得たのです。水槽内のディスカスはファミリーですが、上下関係の上で成り立っています。混泳水槽でペアーになった時は、水槽内でのボスと相棒となります。昔、水槽内に雄のボスがいました。そろそろペアー組かな?というときに、ボスが入れ替わりました。2番目に大きいディスカがボスの地位に立ったのです。その個体は雌でした。その雌がボスの立場になってからは、2番に順位落ちした雄がモーションをかけますがボスの雌は知らんぷり。ボスが選んだのは、一番小さな、いじめられっ子の雄でした。小さな雄はボスの雌に寄り添い、水槽内を自由に泳ぎ回ります。今までは自由に泳ごうものなら皆に追いかけられていたのが嘘のようです。それでも、他の雄は黙って見てはいません。ペアーになった小さな雄が一人でいるすきに、喧嘩を挑みます。もちろん、体格が違うので、あっという間に水槽の隅に追いやられます。そこにスーパーウーマンの登場です。「私の彼になにするの!!」と言わんばかりに小さな雄を守ります。小さ雄は、何度何度もボスの雌に助けられました。そんなある日、小さな雄は、他のディスカスからの攻撃に対して、自力で対処するようになりました。攻撃されると反撃して、勝つことができるようになったのです。この時点で、小さな雄は水槽内の順位は2番になったのです。その後、水槽内でそのペアーが産卵した頃には、小さ雄は誰にも負けることなく、ボスの雌は小さな雄に頼っているようにも見えました。この小さな雄は、ボスの雌がいなかったら、一生子孫を残す権利は得られなかったかもしれません。このディスカス同士の関係は、人間界にもあるように思えます。まるで会話が聞こえてきそうな感じでした。
成魚まで育ったディスカからペアーをみつけて、いよいよブリーディングする時がきました。仲のいいペアーをペアー水槽に移動します。あれ? ペアーが喧嘩しだしました。あんなに仲がよかったのに何で? これも普通のことです。ディスカスは夫婦ではなく、子孫を残すための一時的なパートナーだからです。新しい新居に移動すれば、その環境で順位決めしなければなりません。ボスと相棒の関係です。喧嘩はその会話なのです。家族会議のようなものです。「俺がボスでいいだろう!」「いやよ!今度は私!」「おまえ早く産めよ!」「そんなに突っついたら、その気分じゃなくなったわ!」など、いろいろ会話が聞こえてきます。時には喧嘩別れしたり、将来に向かって協力して進んだり、これも人間界を見ているようです。
いよいよ待ちに待った産卵です。ペアー組してから、何度も産みそうで産まない。あれこれ飼育者は水質を調整して、この時を待っていました。雌が卵を産み、その後雄が放精です。この行動を交互に行ないます。ベテランの雄ともなれば、放精を下から上へ、上から下へと卵をなぞります。
産卵が終わると、卵に口と胸鰭を使って水をかけながら見守ります。24時間、雄と雌が交代で見守るのです。この協力体制は、人間以上の絆を感じます。無精卵は白くなり、無精卵は口を使って器用に外します。無精卵はカビてしまい、そのカビが受精卵にかかるのを防ぐためです。誰に教えられることもなく、本能とはスゴイですね。ディスカスの神秘。ここからが、今までのディスカスの苦労を一瞬で忘れさせてくれる、ディスカスから飼育者へのご褒美です。
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3日後には孵化します。稚魚はすぐに泳ぎ出すことはなく、頭部からの粘着糸で産卵床についていて、元気に尾を振っています。飼育者は孵化した稚魚に一安心。数時間後に稚魚を見に行くと、全ての稚魚がいなくなっています。「あ~~っ 食べられちゃった」と思った時、産卵筒の後に親魚が移動しています。さっきまでは、卵のあった場所を見守っていたのですが、今度は違う場所を見ているようです。そ~っと覗きこんでみると、孵化した稚魚は全て移動されていたのです。421-01.jpg
親魚は孵化後に、より安全な場所に稚魚を移動するのです。初めての繁殖に飼育者は興味深々で、稚魚を覗きこんでいますが、片親が稚魚を見守り、もう片親は飼育者を危険人物だと判断して、顔をめがけて突進してくることがありますので、ご注意くださいませ。
無事に孵化した稚魚を親魚は交代で見守ります。よいペアーは、給餌の時でも交代で餌を食べに行きます。「おまえ先に食べてこいよ」「今度は貴方の番よ」と見ていて恥ずかしいくらいの愛情を感じます。雄と雌が協力し合って子供たちを見守るのです。
2日後には産卵筒から離れて、稚魚たちは自由遊泳します。頭部の粘着糸を引きちぎり、自由になって泳ぎ出せば、親魚が口でくわえて元の場所に戻します。また1匹泳ぎ出した。ほれ、こっちも泳ぎ出した。ここに5匹。あっちに3匹。親魚は大忙しです。数匹まとめて口でくわえて、元の場所に戻します。それを繰り返していると、徐々に稚魚たちが親魚の体についています。口でくわえては戻すという行動で、親魚は稚魚たちに体着を教えているのです。産卵からは動きの少ない平和とも言える時間でしたが、自由遊泳の時は体着を教えるための運動会のようです。
無事に体着した稚魚たちは、親魚から離れることなく、ミルクをもらって成長します。421-07.jpg
100や200の稚魚が体からミルクをむしり取るように食べます。多い時には300近い事もあります。親魚は、この時が一番苦しく、体力を消耗します。親魚は体の一部を分け与えているのと同じです。痛くて辛い時間です。
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でも、じっと耐えています。雌が限界に来ると体着している稚魚を置き去りにするようにスッと泳ぎ稚魚の群れを残し移動します。すると雄が残された稚魚の群れに入りミルクを与えます。
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雌は一休みして、また交代します。一休みといっても、水槽内パトロールです。常に、1匹はミルクを与え、1匹はパトロール。親魚へ給餌するときは、1匹がミルクを与え1匹が餌を食べます。子供たちから離れることはありません。
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親魚にとって辛く苦しい子育ても終盤にきました。体着して1週間経過すれば、稚魚たちはブラインを捕食することができます。疲れた親魚たちは、ボロボロになった体を癒すために、しばらくは休憩させてあげましょう。そうなると、稚魚たちの育成は、全て飼育者が行なわなければなりません。
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今まで見てきたディスカスの愛情を飼育者が受け継がなければなりません。24時間ミルクを与えるわけにはいかないですが、しっかりと愛情を注いで育ててあげましょう。
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ディスカスの何が面白いか? ディスカス飼育をさっと流してみました。でも、ディスカス飼育のほんの一部です。飼育していると、毎回異なるストーリーが生まれます。飼育者はディスカスという魚を飼っています。もちろん愛情を持って育てるでしょう。飼育者が育てる目的は、綺麗に育てたい、コンテストで優勝したい、繁殖したいなど、当面の目標はあるはずです。その目標は、目の前にあったり、簡単に達成できるものではなく、1年後、2年後、10年後に努力次第では達成できるかもしれません。目標が大きければ、達成まで時間がかかり、達成できた時の喜びは何とも言えない感動を得ます。しかし、趣味としてディスカスを飼育していると、その目標に到達するまでに、モチベーションが上がったり下がったりします。下がった時に、目標を見失うこともあるでしょう。所詮趣味なので、いつでも始められれば、いつでも終わらせることもできます。ディスカスという趣味を、いつも同じモチベーショで取り組める人はいないと思います。でも、ディスカスは、飼育者のモチベーションが下がると必ずメッセージを送ってきます。そのメッセージは言葉や文字ではありません。ディスカスの行動や表現力で伝えてきます。ディスカスが「ちょっと水換えしてくれよ~」といっているように見えたときに水換えしてあげると「良かったよ。ありがとう。」とディスカスが表現しているはずです。「仕事で忙しくディスカスどころではない」という時でも「ディスカの水槽を久々によ~く見てみたら、産卵してた」など、飼育者に刺激を与えてくれます。ディスカスは飼育者だけが頼りです。きっとディスカスは飼育者をファミリーと思っているはずです。ディスカスの面白さは、飼育者の愛情に必ず応えてくれることです。そして、ディスカスと飼育者の日々の会話です。

ここまでの楽しみ方は、飼育開始から1~2年もあれば体感できるでしょう。これは、ディスカス飼育のほんの入り口です。ここからが、ディスカス飼育の醍醐味です。その道は、永遠と続きます。
本日はここまでです。
次回は、初心者向けの「水槽」に進みたいと思います。




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